南高尾陵偵察 【1】 [スミレ]
春分の日、日中に小雨の予報でしたが降らないと判断。兼ねてから気になっていた南高尾に偵察に行ってきました。南高尾は文字通り高尾山の南側に広がる地域で、そこに標高300mくらいの尾根があります。神奈川県との県境で、登山道も整備されているわりには登山客は少ないので静かな山歩きが楽しめます、最終的には大垂水峠を経て小仏城山に繋がりますが今回は時間の関係で手前の方だけとしました。南陵は日当たりも良いのでスミレも早いのではという目論見です。
ルートは、高尾駅~草戸峠~草戸山~三沢峠~梅の木平~高尾山口。時間的には4時間くらいですがゆっくりスミレを探しながら6時間くらいかけました(^-^;) 地図を見ると簡単そうですがアップダウンがとても多く小さなピークもいくつもあります。中級以上のコースだと思います。でも危険なところはありませんし要所要所にベンチや休憩ポイントもあります。ただトイレがまったくないので女性陣はちょっと困るかも・・・。
スミレは予想以上に種類が多かったです。ただ全ルート上にあるわけでなく点々とポイントがある感じです。なんだかんだと11種類は数えました。また高尾界隈では初めてマキノスミレを確認しました。
【機材: K-5IIs SIGMA 17-70㎜F2.8-4.5 MACRO ISO200~400】
↓↓ 南高尾陵から見た高尾山。薬王院の建物が見えました。 今日は春霞と黄砂が酷くて展望不良です。
↓↓ 尾根沿いにやたらに多かったニオイタチツボスミレ。 とてもいい芳香がします。何度も何度も嗅いでしまいました(^-^;)
↓↓ ニオイタチツボスミレとタチツボスミレがあったので念入りに探したら、両種の雑種と思われる株を見つけました。マルバタチツボスミレといいます。紫の濃いニオイタチツボスミレとはちょっと違う花ですが、弱いながらも芳香がしました。同定確率85%。同じタチツボ同士なのでけっこうよく見つかるそうです。ただしマルバタチツボノ定義である葉先が尖らず全体に丸いというのはちょっとあてはりません。推測ですが、戻し交配が起きたと思われます、つまり最初に交配して雑種が生まれ、その雑種と片親とさらに交配したというわけです。この個体に関しては葉先があまり丸くなってないということを考えるとマルバタチツボスミレとタチツボスミレの交配種という推測が出来ます。まああくまで推測です。とにかく雑種には違いないでしょう。
↓↓ コスミレ。一カ所だけこれだけ大量に咲いている場所がありました。 アカネも多いのでもしかしたらコスミレとの雑種のヒノクマスミレもあるかもしれません。今回は時間の関係で探せませんでしたが、次回は探してみたいです。
↓↓ ナガバノスミレサイシン。あるところには大量にあるのにないところはまったくない感じです。
↓↓ エイザンスミレは少なかったです。 これから芽吹いて咲くのかも?
↓↓ そして、高尾界隈では初めてみつけたマキノスミレ。 乾燥している場所に数えるほどですが咲いてました。こういう環境下ではとても小さくなりますので見つけにくいです。「大人の遠足 高尾奥多摩植物手帳」には南高尾に希に生えると書かれてましたが、やっと見つけることが出来ました。
※その後、この付近の個体はシハイスミレとマキノスミレの中間的なものと分かりました。どちらの名前を記載しても問題ないのですが、葉が直立している個体が非常に少ないということも考慮してシハイスミレの形態が優勢と判断。今後はシハイスミレとします。
↓↓ ヒナスミレは一カ所だけに大量に咲いてました。白に近くほんのりピンク色が乗っている花色が多いです。このポイントではほぼ満開でした。さすがにこのルートは早いですね。
↓↓ アカネスミレ。花柄や葉に細かい毛が沢山あります。
↓↓ こちらはオカスミレ。アカネスミレの毛の無いタイプです。
このほかに、アオイスミレ、タチツボスミレもあり。 行程中、スミレはずーと咲いてるわけで無く断続的にあるので無いところはまったくなくただ歩くだけになりましたが、これだけ見れればスミレファンとしては満足でしょう。 3月でこれだけ咲いてるとこのルートは4月はあまりないかもしれません。今年は暖かいので特に早いのかな? 機会があれば大垂水峠まで歩きたいです。