SSブログ

5月21日は金環日食 [天体]

 今年は天体イベントでは大きなものが沢山あります。中でも5月21日の金環日食は日本でも大注目の天体ショーとなっています。 今回の金環日食は日本の太平洋岸を「金環食帯」が通るためとても多くの人が見ることが出来ます。 特に中心線が通る、茨城南部、東京23区・千葉北部・神奈川、静岡、和歌山南部、大隅半島では5分前後も金環状態が続きます。特に東京の湾岸は最高の条件となっています。

↓↓ 金環食帯は、中国南部から日本を通り、はるか北アメリカまで続きます。 中心線付近がもっとも綺麗にリング状に見えるのでこの付近で見るのがお勧めです。 (図:Google、つるちゃんの日食ナビより作成)

金環日食全国s.jpg

↓↓ 東京都江東区での金環日食最大時の様子。5分5秒間リングの状態が続きます。(図:つるちゃんの日食ナビより)

金環日食東京.jpg

時間は、条件が良い東京都江東区を例にとると

  • 欠け始め    6時19分頃
  • 50%欠け   7時00分頃
  • 金環食始め   7時32分5秒
  • 食の最大    7時34分35秒
  • 金環食終わり 7時37分5秒
  • 50%欠け   8時8分頃
  • 日食終わり  9時2分46秒

他地域の時間は、 下記のサイトなどで調べることが出来ます。

 金環食は、皆既日食と違い、太陽がすべて隠されるわけではなく、月が僅かに小さいので隠しきれずリング状になる現象です。図で見るとけっこう隠されているように見えるので薄暗くなると思われがちですが、ほとんど明るさは変わりません。ずーと見ていれば少し変化したかな?と思う程度です。つまり太陽のまぶしさは変わらないので、肉眼では見ることができませんので、必ず専用のグラスを使用してください。(500~1000円前後) 日食観測用のグラスはカメラ量販店やスーパー、マツキヨなどあちこちで売られているので、しっかりしたメーカーのを選んでください。 単に黒いプレートやサングラスなどで見ると失明の原因になります。 専用グラスで見るときでも連続1~2分以内にしましょう。 

 こういう現象はやはり撮影したくなります。わたしも全過程を撮影する予定です。 撮影するレンズは35ミリ換算で400㎜以上の望遠レンズでないと大きくは写せません。出来れば最低でも600㎜は欲しいですね。 写りが小さくてもあとでトリミングすれば済みますが・・・。

 基本的に部分日食の撮影と同じですが、やはり撮影にも減光フィルターが必要になります。 市販されているフィルターは1万分の1~10万分の1に減光するものがほとんどですが、やや高価です。 それでも価格が安く入手しやすいのはマルミやケンコーの「太陽撮影用フィルター」です。 ヨドバシなど量販店ならさらに安く買えますが在庫が無くなる可能性があるので購入はお早めに。またネット通販のAMAZONでも買えます。

 マルミ製は58㎜と77㎜の2種、ケンコー製は52、58、77、82㎜の4種しかないので、これ以外のフィルター径にはステップアップリングなどを利用します。 上記両サイトには露出表なども記載があるので参考になります。ただし、当日の天候、薄曇りとか、また利用するレンズの特性などで微妙に露出は変化しますので、前後何段階か露出を変えて撮るのが安全です。 一眼デジなら1回で多段階露出が出来る機能が付いてますので利用すると便利です。

 またピントは、AFの場合は太陽の縁で合わせると合いやすいですが厳密に合わすにはマニュアルです。 無限位置では微妙に合わないことがあるので、しっかり確認しながら合わせます。このときライブビューがあると便利です。というのもフィルター越しとはいえ長時間見続けてると目には良くないので、間接的に見る方が安全です。 

 また、5月下旬ともなるとかなり太陽光は強くカメラが熱くなって故障の原因になりますので、撮影時以外は白い布で覆ったりして直射日光を避けてください。 もちろん撮影者の対策も必要ですよ!

撮影のまとめ。

  • 必ず太陽撮影用フィルターを使う
  • 35㎜換算で最低でも400~600㎜の望遠レンズ
  • AFでは太陽の縁でピントを合わせる
  • AFでもMFでもライブビューを使うと併せやすいし、目にも優しい
  • 露出は標準値の前後を多段階で撮影する
  • カメラ機材は直射日光を出来るだけ避けるように工夫する

 

便利なアプリ。

 スマートホンのアプリからもちょっと使える金環日食用アプリが出ていますので紹介します。 アストロアーツから出てます「金環アプリ2012」です。 しかも無料! ただし、iPhone用なので他のスマホでは使えません。 このアプリを使うとその場で見えるシュミレーションをしてくれます。 また、カメラ機能を使い、どの方向で日食が見えるかというのもシュミレーションしてくれます。 下の写真はそのときの画像です。 左が実際の映像を取り込んでのシュミレーションです。

Image1.jpg

 ところで尾瀬はどうなのか? 残念ながら金環食は見れません。ただし、大きく欠けた部分日食は見ることが出来ます。 ちなみに金環食帯の北限界線が片品村を通ってます。厳密に見てみると戸倉はギリギリ金環食帯の中です。ギリギリなので綺麗なリングにはなりませんが、僅かにリング状になる可能性があります。これは実際に観測してみないと判らないのでもしこの付近で見る方がいましたら観測してみて欲しいです。

↓↓ ちょうど戸倉付近を「金環食北限界線」が通りますので、この付近はリングになるかならないか微妙なところです。(図:Google、つるちゃんの日食ナビより作成)

金環食戸倉.jpg

 次回日本で見られる金環日食は、2030年6月1日、北海道で見られます。 同じように太平洋岸沿いの広範囲で見られるのはなんと300年後の2312年4月8日となります。 とても珍しい現象なので時間のある方は是非見ていただきたいです。


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。